HSCである理由〜娘の場合〜
三年生の頃でしたが、
娘が、日頃から空気を飲みこんでしまっているようで、よくゲップをするようになりました。
ググってみると、空気嚥下症や呑気症という症状で、
早食いや負荷のかかる仕事、のほか、
不安やストレスなど心理的な要因があると書いてありました。
その辺りから、もしかしたら娘はHSCなのかもしれない、と周囲に相談しはじめた私。
ところで、
娘の出産は、痛みに敏感な私には戦場のようなものでした。陣痛が始まってから破水するまで丸1日かかり、
安産です、と言われて耳を疑いましたが、
まるで図ったように、予定日だったその日の早朝に生まれてきた我が子。
そしてはれて私は母となり、育児が始まりましたが、あまりの大変さに、びっくり仰天させられました。
「赤ちゃんはそんなもんよ」、と母に言われて、疑問に思いました。
今思えば、疑問に感じたことは、
あながち間違いではなかったのだ、
私はきっと大変な育児を経験したのだな、と
自分を慰めたくなります。
もちろん、こんな気質を持った自分だからこそ、です。
この子はナポレオンではなかろうか?、と、
思うくらい、娘はちっとも寝ない子どもでした。
お昼寝は長くても30分、それ以降は夜まで寝ませんし、ちょっとした物音で起きてしまう…。
眠くなると泣いてぐずって眠気と戦い、
その戦いに勝利しては外界を常に探索している…。母がいつも側にいる、というのが徹底した条件でしたが。
夜も同様に寝ぐずり、日付が変わるまで寝ないことが度々ありました。
寝かしつけても布団に下ろしたらすぐに起きて、また寝かしつける日々…。
1人遊びもできないため、私は用事ができません。
母の腕を再現した、抱っこロボットがあればいいのに…、と何度も思いました。
その他にも、抱っこすると暴れて体をピーンと弓形に反らせる、
両手が空く、便利な抱っこスリングに入れようものなら、嫌がって体をつっぱって抵抗する、ということがありました。
背中におんぶすれば、暴れては私の顔を見ようとしてか、体をずらしてくるので、
台所仕事ではいつか手が伸びてくるのではないか、
落下するのではないかとヒヤヒヤしました。
結局、「便利」、と思われる育児グッズはどれもこれも娘にはあわなかったのです。
例えば、
ベビーカー、チャイルドシート、テーブル付きチェア、
→抱きあげるまで泣き続ける、もしくは暴れて危ない、運転に支障をきたす。
スタイ、帽子、手袋、靴下
→身に付けさせると、すぐに外す、脱ぐ。
食事もあまり食べません。すぐに遊びに転じます。ただ、今でもそうですが、味にはうるさいグルメさんなのでした。
薬も全力で拒絶…!歯磨きもやすやすとはさせてくれません。
こんな私ですから、母親という責任、プレッシャーに押し潰されそうでした。
結果的に、母は「鬼」にならざるを得ませんでした。
見方を変えれば、
自分が安心していられる状態に正直である、
もしくは、
気に入らないことには妥協しない、
ということになるでしょうか。
全ては娘の良いところ、と認識していれば、
もっとゆったり育児を楽しめたのかな、と、思いますが、
1人目の育児は母も1年生、どんな家庭でも大変なのです。
お気づきのかたもいるかもしれませんが、
ただ、その特徴的であるコミュニケーション障害や、多動という症状が常にあるかというとそうではありませんでした。
健診や、発達相談に行っても、その言葉を保健師さんから告げられることは1度もありませんでした。
さらに、娘は外ではわりとおとなしく、いい子にしているのです。
信頼できる者にしか本性を表さないなんて、なんとも知能犯なことです。
ここまでのエピソードだけでも、
人一倍敏感な子、ということがわかるでしょうか。
次回は、娘の入園、から、
振り返ってみたいと思います。